『サピエンス全史 下巻』ユヴァル・ノア・ハラリ

色々な学問の本当に多様な視点から、人類『ホモ・サピエンス』のこれまでの歴史を網羅。

交易、宗教、帝国という概念の存在によって地球上の人類が一つの社会に統一された。そしてそれに欠かせないのが貨幣。それによって交易も活性化。資本の力が生まれ、これが原動力となりコロンブスアメリカ大陸発見でさえも成し遂げられたというのが驚き。

そして、このような流れで発展した『文明は人間を幸福にしたのか』という問い。考えさせられる。でもまあ今を生きる我々は自分なりの精一杯を生きよう。

ということなんだけど、やはり全生物を管理下におく人類としての責任を持ち、これからの地球を考えねば。というのと、やはり上巻から引き続き、自分のこれからの生き方を考えさせられた。

『サピエンス全史 上巻』ユヴァル・ノア・ハラリ

人類が誕生してからどうやって今の状態まで進化、進歩してきたか。現代の人種、性別、国籍とかの概念を一旦取っ払い、どうやってそれが成り立って今のような状態になったのか、というのがわかる。わからないことも含め、分かる。差別の原因となっているものの根拠はとても曖昧。人類の始まりという視点から見ると、現代の我々が拠り所としている大抵のもの、貨幣とか国家とか宗教とかは、虚構であると。虚構を使って大人数の支配、協力体制を構築してきて、その流れで今の社会がある。農業革命一つをとっても、決して当時の人たちにとっての正解とは言えないことが分かる。そして、そういった正解ではない選択の積み重ねで、今があるのか。そう考えたら何事にも正解なんてないし我々は我々の精一杯の考えで世界を作っていけばいいのだ。と思える。

いろんな先入観とか固定概念を取っ払ってくれる本。

 

『「自然な」という言葉の神学的意味は、「自然を創造した神の意図に一致した」ということだ。』

『なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、、、』家入一真

キャンプファイアだけじゃないんだなと。海士町の例やクラウドファンディングでの色々な事例を元に、これからの社会のありかたについての提案があった。こうなっていくのが本当なのかなと思った。

お金って今はどうしても欲の対象になってしまうけど、まずはそこを取り払い社会がめぐってゆくために使う。そのとき、金銭の交換だけてはないいろいろな価値が生まれるのだなーと。

『希望の国のエクソダス』村上龍

まず驚いたのは、この本の発行が2000年、連載開始が1998年ということ。

中東でのテロに日本人中学生が参加していたというニュースから、不登校が蔓延していた日本の中学生が立ち上がる。

序盤は、個人的にはこの中学生に対しては反感が強かった。だが後半に進むにつれ、またここ最近の社会の方向性から言って、彼らこそがこの国を救うきっかけとなるのではと思えてきた。たぶん2000年当時に自分が読んでたとしたら、何だこの話?としか思えてなかったろう。

彼らの描く社会は国家として独立するのかというくらい自立しているが、自立することによる周囲との調和があるように思う。

既得権ありきで他はどうでもいいみたいな感じで成り立っている安定。自分の今もそっち寄りだが、そこに寄り掛かって安心することなく学び続けよう。

『パレード』吉田修一

都会に住む男女の若者4人の共同生活を描いた話。何だか普通の若者たちの、濃密なような淡白なような繋がりで、充実してるような、淡々と流れているようなありふれた生活。

ずっとこんな感じで終わるのかなー思ってたところに急展開があったときは、エッと声が出るくらい何が起きたか分からなかった。

この件と、少し前から共同生活に入ってきたサトルによって、この物語からのメッセージが浮き彫りになってきたような気がする。

「多様性」という言葉がよく聞かれるようになったが、受け入れられる範囲はそれぞれ異なるし、そういう問題じゃないでしょっていう話もある。

自分に置き換えてもそうだけど、ダメなところも周りの人に許されてたり、好きにやらせてもらってるところがあるし、隠してるような闇もある。相手に対してもそう。多様な相手を受け入れるにも、度量とか好みとかタイミング等もあって決めるんだろうけど、本当のところは相手が自分から見せてこないと本当にわからない。自分の世界は自分の中にしか無い。

そう考えていくと、結局この物語のように、みんながそれぞれ勝手に生きていて、たまたま人生の一部分で交差してるみたいな関係がいいのかもしれない。

読書ブログ始めます

読んだ本が増えてきた。感想、読書の面白さを伝えたい。何かをアウトプットしたい。言語化能力を高め、自分の思考を晒したい。なんなら批判的な意見も受けてみたい。新しい世界に触れたい。仕事以外で、世の中との繋がりを持ちたい。

んなわけで、アラ40のある日、突然、ブログを始めます。
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