『希望の国のエクソダス』村上龍

まず驚いたのは、この本の発行が2000年、連載開始が1998年ということ。

中東でのテロに日本人中学生が参加していたというニュースから、不登校が蔓延していた日本の中学生が立ち上がる。

序盤は、個人的にはこの中学生に対しては反感が強かった。だが後半に進むにつれ、またここ最近の社会の方向性から言って、彼らこそがこの国を救うきっかけとなるのではと思えてきた。たぶん2000年当時に自分が読んでたとしたら、何だこの話?としか思えてなかったろう。

彼らの描く社会は国家として独立するのかというくらい自立しているが、自立することによる周囲との調和があるように思う。

既得権ありきで他はどうでもいいみたいな感じで成り立っている安定。自分の今もそっち寄りだが、そこに寄り掛かって安心することなく学び続けよう。